理事長就任挨拶
令和8年(2026年)1月より、日本食品微生物学会の理事長を拝命いたしました。 日本食品微生物学会は、1980年11月に「食品衛生微生物研究会」として発足し、1990年4月に「日本食品微生物学会」へと改組され、今日に至っております。本学会は、食品微生物に関する研究の推進およびその成果の普及を通じて、食品の安全性ならびに機能性の向上に寄与することを目的として活動しております。また、産学官の多様な専門分野の方々が参画し、アカデミア、企業、国および地方自治体が連携して社会的課題の解決に取り組む点は、本学会の大きな特色であり、強みであると認識しております。一方で近年、会員数は減少傾向にあり、学会活動の一層の充実と魅力向上が求められております。こうした状況を踏まえ、今期の理事会では、以下の課題に積極的に取り組んでまいります。
第一に、学会ホームページのさらなる充実です。三宅眞美理事長の時代よりリニューアルの議論がなされ、工藤由起子理事長のもとで刷新されましたが、今期はこれをさらに発展させ、会員の皆様が求める情報を、より迅速かつ的確に発信できる体制の構築に努めてまいります。
第二に、会員数減少への対応です。少子高齢化、大学・公的研究機関におけるポジションの減少、企業活動の国際化など、複合的な要因が影響していると考えられます。そこで、若手の会を立ち上げ、若手研究者・技術者に本学会の活動に関心を持っていただけるよう取り組むとともに、学会の国際化を推進し、海外で活動されている方や外国人研究者にも積極的に参画いただける仕組みについて検討してまいります。
第三に、魅力ある学術総会の開催、学術セミナーおよび技術セミナーの一層の充実を図り、会員の皆様にとって有益な情報を継続的に発信してまいります。
第四に、日本食品微生物学会雑誌のさらなる充実です。現在、投稿数が十分とは言えず、原稿の確保に課題を抱えております。今後は、会員の皆様より積極的にご投稿いただけるよう、理事会および編集委員会が連携し、本課題の解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、日本食品微生物学会の法人化に関する検討を、今期理事会における重要な課題として位置づけます。本学会は現在、約1,000名の会員を擁する学術団体として活動しておりますが、法人化については、これまで理事会で幾度となく議論が重ねられてきたものの、実現には至っておりませんでした。しかしながら、本学会に求められる社会的責任は年々高まっており、学会活動の明確化、社会的信用力の向上および事業の継続性等の確保といった観点からも、今日において法人化を含む本学会の在り方そのものを検討する必要があると考えております。
以上のとおり、日本食品微生物学会には、待ったなしの課題が山積しております。これらの難題は、理事会のみで成し遂げられるものではありません。理事・監事・評議員をはじめとする役員の皆様、ならびに会員各位のご理解とご支援、ご協力が不可欠です。
理事長として、皆様のお力をお借りしながら、本学会がこの難局を乗り越え、さらなる発展を遂げられるよう、強いリーダーシップをもって尽力してまいる所存です。
日本食品微生物学会
理事長 山﨑伸二